パデル×シキボウの
シナジーが、
グローバルな発想を
生み出す。

スポーツとビジネスの両面で世界を舞台に活躍する平氏と、
グローバル市場において新たな価値の創造に挑み続けるシキボウ。
パートナーシップ契約によって両者が巻き起こす変革と共創とは。二人の想いを聞く。
プロパデルプレイヤー平レオンオリリアス選手とシキボウ株式会社が語る、スポーツとビジネスの共創

挑戦が成長を生む。変革が未来を動かす。

鈴木:平さんと私たちシキボウが出会って約2年が経ちました。この年月の中で何か大きな変化はありましたか。

平:パデルが2032年のオリンピック種目になる可能性が高まり、競技そのものの勢いを強く感じています。パデルはヨーロッパや中東ではもともと人気のスポーツですが、アジアでも急速に普及が進んでいます。競技と一緒に私のパデルプレイヤーとしてのキャリアも加速している実感がありますね。

鈴木:競技の広がりとご自身の成長が重なるわけですね。競技以外での取り組みはいかがですか。

平:アジアでスポーツ&ウェルネスを展開する会社の立ち上げに携わっています。私が大切にしているのは「スポーツを通じて社会にどんな価値を提供できるか」という視点です。施設づくりだけでなく、スポーツや健康を軸としたコミュニティの形成も手がけていきたいですね。

鈴木:当社も「社会に役立つものづくり」を軸に据えて事業を展開しています。たとえば、ポリエステルが日本で生産されはじめた頃に「ポリエステル65% / 綿35%」という混紡比率の糸を業界に先駆けて確立したのも当社で、この比率は今や世界標準になっているんです。

平:それはすごいですね。ものづくりにかける想いから生まれたイノベーションが支持されて、世界中に広がっていったんですね。

鈴木:その通りです。現在進行中の中期経営計画「TG25-27」も、テーマは「成長への変革」です。繊維の技術で社会課題を解決したり、大きな付加価値をもたらす製品を開発するなど、イノベーションを起こして、シキボウという企業の存在感をさらに高めていきたいですね。

平:私も「アスリートだからこそできる価値の提供とは何か」を考えぬいて、競技はもちろん、ビジネスにおいてもどん欲に挑戦し、成長していきたいです。

プロパデルプレイヤー平レオンオリリアス選手とシキボウ株式会社が語る、スポーツとビジネスの共創
平 レオン オリリアス
Leon Aurelius Taira

カナダ人の父と日本人の母を持つプロパデルプレイヤー。慶應義塾大学総合政策学部卒業。テニスからパデルに競技転向し、2020年に史上最年少で全日本選手権優勝。2022年から約1年半、パデルの本場スペインで修行。2024年にシキボウとパートナーシップ契約を締結。現在は競技と並行して事業にも挑戦し、グローバルに活動中。

妥協のない日本品質が、世界の信頼を紡ぐ。

鈴木:平さんはヨーロッパ、中東、アジアとグローバルに活動されていますね。その中で改めて感じる「日本の強み」は何でしょう。

平:製品のクオリティに妥協しない点が、日本の素晴らしいところだと思います。それから、一度作ったものを同じクオリティで作り続けられる。これこそが日本の文化であり、技術の真骨頂だと感じています。

鈴木:まさにそれが日本のものづくりの本質ですね。私は「細やかなニーズに丁寧に応えていく姿勢」も日本らしさだと思っています。

平:パデルの遠征でよく中東に行くのですが、日本品質への信頼はとても厚いと感じます。特にシキボウさんの生地は現地の方から直接「最高だ」と言われることもあって、私も誇らしい気持ちになります。ニーズに応えながら高品質の製品を提供し続けることで、中東における知名度の高さと信頼を獲得されているんですね。

鈴木:シキボウの原点にあるのは揺るぎない「品質へのこだわり」です。これは中東向けの生地だけでなく、たとえば企業用のユニフォームや寝装品においても「より快適に、安心に」という想いを込めて製品を作っています。また、当社では産業資材や機能材料も手がけていますので、すべての分野で高品質な素材・製品をグローバルに届けていきたいですね。

プロパデルプレイヤー平レオンオリリアス選手とシキボウ株式会社が語る、スポーツとビジネスの共創
鈴木 睦人
Suzuki Yoshihito

1988年、敷島紡績株式会社(現:シキボウ株式会社)に入社。国内工場のオートメーション化や製造技術・開発、人事・総務に携わったのち、海外の現地法人で代表取締役社長を歴任。帰任後は繊維・機能材料の分野で成長戦略を推進し、2025年より代表取締役 社長執行役員に就任。現場感覚と海外経験を活かし、シキボウの「成長への変革」をリードしている。

世界へ、共に挑む。

鈴木:2025年の10月から11月にかけて、カタールでパデル大会「shikibo CHALLENGER」が開催されました。平さんも開催に向けてご尽力いただき、ありがとうございました。

平:こちらこそ、シキボウの皆さまや現地関係者のご協力により、大会の開催に携わる貴重な機会をいただきました。日本企業が社名を冠したパデル大会を海外で開くのは、初めての試みだったのではないでしょうか。

鈴木:世界的に広がるパデル人気を追い風に、中東以外の地域でもシキボウブランドの存在感を高めていきたいですね。

平:パデルで今特に勢いがあるのはインドネシアです。バリ島では1キロ圏内に1つはパデルコートがあるぐらいですし、ジャカルタやスラバヤにも急速に広がっています。

鈴木:当社もアジアでの製造・販売を強化しており、インドネシアはその中核拠点です。非常に重要な市場だと考えています。

平:インドネシアではパデルコートが「人が自然に集まる場所」になっています。そうした場でシキボウさんの製品に触れられるようにしたり、パデル体験や日本文化を伝えるイベントを開いたりすれば、自然な形でブランドを伝えられると思います。

鈴木:面白いですね。少し昔の話になりますが、インドネシアでは当社の「マーメイドマーク」が広く知られていました。「子どもの頃にマーメイドブランドの生地を使った制服を着ていた」という方も多いんですよ。

平:それは素晴らしいお話ですね。今はSNSよりも実際に触れたり体験したりする「地道な接点」のほうがブランドの価値が高まると思います。例えばマーメイドマークを活かして食品やアート、農業など異業種とコラボして展開するなど、様々な可能性がふくらみますね。

鈴木:なるほど。私たちはどうしても繊維という発想にとらわれがちですが、平さんの視点から新しいヒントをもらえるのは非常にありがたいです。

人がつながる。そこから未来が動き出す。

鈴木:中東やアジアはもちろんのこと、私たちはヨーロッパやアメリカでも新たな市場を切り拓いていきたいと考えています。

平:パデルをやっていると、普通なら会えないような各国の要人や経営者の方々と接点を持てる機会があります。そうしたグローバルな人脈づくりの面でも、シキボウさんのパートナーとして新しい可能性を広げていけるのではないかと感じています。

鈴木:たしかにビジネスは「人とのつながり」から生まれるものですよね。企業の転機を振り返ると「出会い」がきっかけになっていることも多いと感じます。パデルを通じて、これまでにないご縁が生まれるかもしれないと期待しています。

平:営業活動やマーケティング活動とは異なるルートで、新しい関係が自然に生まれやすいのがパデルの特長だと思います。社交性の高いスポーツだと感じますね。

鈴木:「コミュニケーションの場」としてもパデルには大きな可能性があるんですね。平さんとともに、パデルをきっかけとしてシキボウの新しい挑戦を世界に向けて発信していきたいです。

プロパデルプレイヤー平レオンオリリアス選手とシキボウ株式会社が語る、スポーツとビジネスの共創

スポーツとものづくりで、さらなるイノベーションを。

平:私の根本には、「スポーツを自分のためだけに完結させたくない」という考えがあります。応援してくださる方や支えてくださる企業にしっかりと価値を還元していくことがアスリートの責任だと思っています。

鈴木:たしかに、この対談を通じて平さんが熱い想いを持ち、アスリートの枠を超えて様々なことにチャレンジしていることが伝わってきました。

平:シキボウさんのように良質なプロダクトを生み出している日本の企業とともに、スポーツと産業の両輪で新しい価値を生み出したいと思っています。パデルをきっかけに、シキボウさんと一緒に新しい価値を世界へ届けていけたら嬉しいです。

鈴木:ありがとうございます。私たちもパデルを企業PRの機会としてとらえるだけではなく、平さんの人脈や感性をマーケティングや新しい事業機会の創出につなげていければと思います。アスリートと企業が一緒に挑戦し、ともに成長していく。そんな好循環を作っていけたら最高ですね。

平:ありがとうございます。私は「やるからにはNo.1を目指す」をモットーにしています。私自身も成長に向けた努力を怠らず、パデルを通じて「人と人」「企業と社会」をつなぐ架け橋となれるよう、これからも挑戦を続けていきたいと思います。