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株主・投資家の皆様へ

シキボウ株式会社
代表取締役 社長執行役員
尻家 正博

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
第211期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の年次報告書をお届けするにあたり、ご挨拶申し上げます。

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の解除により社会経済活動の正常化が一段と進む中、消費活動やインバウンド需要の伸長により、緩やかな回復を見せました。一方、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念、国際情勢の不安定化により、原材料やエネルギー価格の高止まりおよび円安基調の長期化等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような経営環境のもと、当社グループは、中期経営計画「ACTION22-24」において、コロナ禍からの復活を目指すこと、長期ビジョンの実現に向けた成長のレベルをさらに加速させることとし、2年目となる本年度においても新たに創ること、新たに取り組むことに挑戦いたしました。「経営基盤の強化」としては、新中核事業と位置付ける化成品事業において主力の食品用増粘安定剤の販売拡大に向けた設備投資を実施しております。資本効率を重視した既存事業の稼ぐ力の向上と事業ポートフォリオの見直しについては、当社の連結子会社である株式会社シキボウサービスが営む保険代理店事業の譲渡および当社の連結子会社であった小田陶器株式会社の株式譲渡を実施いたしました。国内、海外のグローバルネットワークの連携強化による海外市場の開拓については、欧米およびアセアン地域等の海外市場向け販売を目的として、ベトナムに現地法人を設立いたしました。

以上の結果、売上高は386億81百万円(前期比2.1%増)、営業利益は14億28百万円(同17.3%増)、経常利益は13億22百万円(同17.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社シキボウサービスの保険代理店事業の譲渡益を特別利益として計上し、また、連結子会社であった小田陶器株式会社の株式譲渡損失を特別損失に計上したことにより、8億円(同49.0%減)となりました。

なお、2024年3月期の期末配当金につきましては、前期同様1株あたり50円といたしました。

2024年度につきましては、中期経営計画の最終年度であり、本来であれば、計画達成に向けての仕上げの1年でありますが、2024年度の計画値と業績予想の乖離について決算発表時に開示いたしました。中期経営計画策定時と比べ、世界的な地政学リスクや経済状況の変化などに起因した原材料やエネルギー価格などの高騰、為替変動により、コスト構造が大きく変わり、利益面で大きく乖離したことによるものであります。損益としては計画値を下回る業績予想となりましたが、中期経営計画の基本方針や事業戦略に変わりはありません。方針、戦略に沿って掲げた目標や取組み、アクションプランを従業員一人一人が最後までやり抜くという、「ACTION22-24」の総仕上げの1年にしていきたいと考えております。

当社グループでは、株主・ステークホルダーの皆様方に支持されるよう、安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現を目指して、社会的責任を果たしつつ、企業価値の向上を目指してまいります。

株主の皆様におかれましては、引き続きご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

2024年6月