中央研究所
中央研究所では、繊維産業で培った技術と経験を活かして、軽くて強い新素材である繊維強化複合材料と繊維強化基材(プリフォーム)の開発を進めています。
近年では、カーボンニュートラルを目指した研究開発に取り組んでおります。
繊維
1.形態加工
複合材料に適した、炭素繊維やガラス繊維の表面改質や撚糸や混紡など、様々な加工で付加価値を上げる研究をしています。
2.環境への配慮
自然由来の繊維(綿糸、麻、シルクやセルロースナノファイバー)や環境配慮型繊維(例えばオフコナノ)、リサイクル繊維などを複合材料に適応する研究を進めております。
樹脂
1.樹脂の改質
シキボウでは、マトリックス樹脂の改善にも取り組んでいます。
特に、エポキシ樹脂にシリカを配合した、ナノ複合材料を開発し、マトリックスの破壊靭性強化向上方法を開発しています。
この、ナノ複合材料は「プラミックス」と命名されています。
Improvement Matrix property
Plamix: Nano Composite
Improvement resin which is combined silica fine powder into epoxy resin.
2.ブレンド
様々な樹脂材料をブレンドして、粘度、ガラス転移点、靭性強度などを改質した樹脂材料を開発しています。
3.エコ材料の開発
天然由来成分を配合した新たな樹脂材料の研究に取り組んでおります。
基材
1.繊維配列基材の開発
繊維の方向、長さ、層の厚さを自由に選択して、様々な形状に繊維を配列できます。
繊維を自由に配列できるので、湾曲ビームを製作する際に、曲率に沿った繊維配列が達成できます。
穴周りの強化などに、繊維を円周状に配列することもできます。
2.織物材料の開発
薄いものから厚い構造体まで、さまざまな形態の織物が製作できます。
2.5Dなど、立体的に繊維が配列した織物が製作できます。
厚み方向に繊維が配列した、三次元織物が製作できます。複材な形状のも対応できます
セラミックス繊維など、非常にもろい繊維でも対応可能です。
2D Complex Shaped Preform
3D ( Three dimensional ) Preform
1400℃級 CMC材料の
実用化研究
実用化研究
シキボウでは、UBE、IHIと共同で、
航空機エンジン用 CMC(セラミックス基複合材料)タービン部品の
開発を進めております。
シキボウは、強化繊維であるSiC繊維で三次元織物の開発を担当しております。
3.層間補強方法の開発
三次元織物だけでなく、様々なZ補強(層間補強)方法を開発しています。
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Limit impact delamination propagations 層間の剥離進展を抑える効果
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ザンカーを用いた複合材料は、層間強度を示すG1C特性が非常に高い値を示します。
By using the Zanchor process the composite part showed higher G1c value which demonstrate higher delamination resistance.
ザンカーを用いた複合材料は、DCB試験において、ファイバーブリッジングが発生しますが、このファイバーブリッジングが、破壊靭性を強くしています。
The fiber bridging occurred after the DCB test in Zanchor composite.
This fiber bridging causes higher fracture toughness.
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Improve compression-after-impact(CAI)strength CAI特性の改善
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< Higher impact damage resistance >
航空機で使用する材料で要求のあるCAI(衝撃後圧縮強度)特性が、ザンカーを使う事により、高強度を示します。
"Zanchor" composite showed higher CAI value which is an important property for composite aircraft structures.
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Dramatically increase the permeability of the entangled fiber structure 樹脂浸透性の大幅な向上
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ザンカーは厚み方向の樹脂浸透性が非常に優れています。
厚み方向に繊維が配列されているので、樹脂は繊維に沿って浸透します。Zanchor preforms exhibit higher resin flow speed at Z direction.
Because Zanchor has through the thickness fiber, so the resin is flowed through the z direction fiber.
複合材料
1.熱硬化性複合材料
様々な複合材料の成型方法を開発しています。
2.熱可塑性複合材料
リサイクル可能な、環境配慮型の複合材料の開発も進めております。
3.セラミック材料
CMC、C/C等、新たな複合材料加工方法の開発も進めております。